学校法人山崎学園 富士見中学校高等学校

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オンライン版 東北復興studyツアー(中2有志企画)

終業式の日の午後、zoom上でオンライン東北復興studyツアーを行いました。
こちらの企画は中2の有志4名が名乗りでて企画運営してくれたことで実現しました。
今年度は、感染症の影響で現地へ行って考えることができませんでした。しかし、考え想うことはオンラインでもできるのではないかと有志生徒がデザインしてくれました。

内容は、岩手県陸前高田市で活動されているマルゴト陸前高田にご協力いただき、現地オンラインツアーと講演会を経験させていただきました。
何かを楽しみながら創ることで学びを深めたいという有志の発案で、ツアーでの経験を元に『あいうえお作文』を創り、発表し合いました。

オンラインツアーでは、現地の様子をみることができました。以前より多くの建物が立ち、文化施設も建造され、街の様子が変わっていることが感じられました。反面、整地されたままの空き地や、居住区域として使用できなくなった沿岸部など、コントラスト強く映りました。ガイドしてくださった方も、「人が戻ってこない」という問題点を挙げられています。
同時に、「地元の人が魅力と思っていなかったモノコトが、実は、魅力的なモノコトだったんだということが、こういった活動を通して分かり、被災地としてではなく、魅力的な陸前高田市を感じてもらいながら震災経験の教訓を得てもらえるようにしていきたい」と話されていたのが印象的でした。
生徒たちも私たちも「復興とは何なのか」について改めて考える機会になりました。

講演では、60世帯中28世帯が全壊した長洞(ながほら)地区の当時の様子をお話くださいました。日本に限らず、国外の方々と、震災を通した学びを共有されており、当時実際に起こったモラルジレンマを問題提起してくださいました。
「自治会に加入していない世帯に食料を配るかどうか」という問いでは、ノーステキサス大の学生と日本の学生の考え方の違いを知りました。
日本の学生はほぼ全員が「配る方がよい」と考えるのに対して、ノーステキサス大の学生は「配らない方がよい(配るべきでない)」と多くの人が考えるようです。
みなさんなら、震災時を想像した場合、どう考えますか?

実際に、長洞地区が当時出された答えは、「配る!」ということだったようです。
「村八分という言葉があるが、含まれない2割は火事と葬儀のときであり、今の状況は火事よりひどい状況であり、助けるべきだ」という演者の方の声に地区の意向がまとまったようです。
様々なお話から、長洞地区では自治的な活動をとり、協力しながら当時を乗り切られたということがよく分かりました。

震災について知り、震災を通して考え、学ぶ「東北復興studyツアー」は、震災から10年経つ東北と共に、震災のみでない学びの機会へと変化していっています。(生徒会部:杉原)